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お話を運んだ馬(外語センター三鷹ブログ引用)

童話や少年文庫の中にもすごく印象に残る物語があります。

主人公の男は、才能に恵まれた魅力的な男でした。旅から旅を重ねる暮らしで精力的な

生き方をしていました。

ある土地で大きな木を見つけました。見たこともない太い柏の木で何百年も生きている

立派な木でした。

一方で動けず話せない木の生き方は、常に男の関心の外にありました。

 

その男に老いがやってきました。年を重ねた男は旅よりも落ち着いた暮らしを

望むようになりました。

男は自分が暮らす最期の場所として太い柏の木の傍を選びました。

 

柏の木は自分を待ってくれていると考えたのです。

 

男が忙しく活躍できたのは自分を待っている「木」が一点にとどまり、

健やかでいる姿を見せてくれてこその活躍だったのです。

 

木の下で男は静かな満たされた死を迎えることになります。

 

 

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日本語では「木」にまつわる字で「閑」という字があります。

例えば忙中有閑(どんな時でも心に余裕を有すること)という座右の銘になりそうな四字熟語にもしばしば用いられる深みのある字であり、語源には静けさ、落ち着きという意味合いがあります。

字の書き方は門の内側の「木」という構成になります。

 

自分のテリトリーの内側にある「木」の存在の大切さは、古今東西おそらく

変わりません。

断片的な知識はわずかな連想とともに普遍的な真理に変わります。

 

 

 

「木」の存在に相当する「何か」は探しても見つかりません。気づくものです。

その気づきに必要となるものは優しさです。

その優しさの根源は、おそらく「弱さ」だと思います。

 

宮本

 

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